（６） （６）
| 6-1若いロレンツオは、6-2そういう陰険（いんけん）な政治手法（しゅほう）が6-3気に染（そ）まなかったのかもしれない。6-4とにかく頑強に6-5メディチ党党首（とうしゅ）にはならないと言い張ったから、6-6党の指導者は驚いた。6-7メディチ家の声望（せいぼう）と6-8経済力なくしては、6-9メディチ党の支配は成り立たない。6-10彼らは6-11「市民代表団」を編成して6-12メディチ邸（てい）に押しかけ、6-13政治から身を引かぬよう懇請（こんせい）し、6-14必死に説得を重ねる。6-15ついに根負（こんま）けしたロレンツオは、6-16弟ジュリアーノと共同でということなら、6-17と条件を付けて承諾（しょうだく）した。 6-18ロレンツオは、6-19二十歳（はたち）になったばかり、6-20弟ジュリアーノは6-21まだ十六歳だった。6-22政界（せいかい）へのこのデビューの仕方（しかた）を、6-23おおかたの評者（ひょうしゃ）は、6-24祖父（そふ）コジモ譲りの6-25老獪（ろうかい）なポーズだと見なしている。6-26その後政治の世界で6-27ロレンツオが発揮（はっき）した実力を見れば、6-28そう考えるのも無理はないが、6-29政治の能力に6-30すぐれた素質を持っていることと、6-31政治が好きだということとは、6-32必ずしも同じではない。 6-33能力とか6-34素質とかいうならば、6-35彼は文学（ぶんがく）にも6-36哲学にもすぐれていたので、6-37そのほうが政治よりも6-38よほど好きだったように思われる。6-39たぶんロレンツオは、6-40環境から強制されて6-41メディチ党首領（しゅりょう）地位に6-42就（つ）いたのであろう。6-43ちょうど家柄の上昇（じょうしょう）と6-44家系の体質（たいしつ）改善（かいぜん）という要求に屈して、6-45気に染まぬ女性と6-46結婚したのと同様に。 |
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| 謝辞ミチオ・自己研鑽資料 |
| 2016/5/1 （笹倉宗）聖母マリヤ福音教会代表 笹倉正義 通称：「オリジナル教会」 「ささくら修道会」 2017/3/3 |