（２） （２）
| 2-1オルシーニ家といえば、2-2先祖に何人（なんにん）も教皇を出し、2-3枢機卿、2-4司教は数えきれないほど、2-5イタリヤ中部（ちゅうぶ）各地（かくち）に2-6広い領地を持つ大貴族である。2-7ストロッツイ家や2-8パッツイ家が2-9フィレンツェでどんなに威張（いば）っていても、2-10当時は商人では家柄という点で貴族にかなわない。2-11名門貴族の縁戚になれば、2-12もう彼らから成り上がりだの2-13成金（なりきん）だのと陰口（かげぐち）を叩かれることはない。2-14だからこの縁組に2-15メディチ家は大いに力こぶを入れたのである。 2-16采配（さいはい）を振るうのは2-17ロレンツオの母ルクレツイア、2-18重い痛風（つうふう：尿酸塩が耳殻（じかく）や関節軟骨の周囲に沈着して炎症を起こし、関節などがはれて痛む病気）のため2-19起居（ききょ）ままならぬ夫に代わって、2-20ローマまで未来の嫁の品定（しなさだ）めに出向（でむ）いた。2-21器量（きりょう）と性格（せいかく）はあまり気に入らなかったようだが、2-22家柄と体格は大いに気に入った。 2-23我が家（わがや）の娘たちのほうが2-24彼女よりずっと美人」だと、2-25フィレンツェの夫に報告した手紙が残っている。2-26気位（きぐらい）が高すぎてつんけんした性格も、2-27気にはなったようだ。2-28だが何よりもまず家柄である。2-29「ストロッツイ家や2-30アルビッツイ家の連中は、2-31この縁組を死ぬほど羨ましがることでしょう」と、2-32ルクレツイアは書いている。 2-33それに加えて2-34クラリーチェ姫は、2-35「体格がよく、2-36色白（いろじろ）」で、2-37ルクレツイアの希望を2-38ぴったり満たしている。2-39元気な子供をたくさん産めること、2-40これが第一の条件である。2-41それに、2-42メディチ家の男たちが2-43代々（だいだい）痛風に苦しんできたのだから、2-44その家系（かけい）の体質を改善するにも、2-45新しい血を導入する必要がある。2-46オルシーニ家にとっても、2-47フィレンツェ共和国を2-48思いのままに動かす力のある2-49ヨーロッパの大富豪との縁組は、2-50損になる話ではないから、2-51この縁談（えんだん）はとんとんと進んだ。 |
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| 謝辞ミチオ・自己研鑽資料 |
| 2016/4/29 （笹倉宗）聖母マリヤ福音教会代表 笹倉正義 通称：「オリジナル教会」 「ささくら修道会」 2017/3/3 |