（１６）コロンナ （１６）コロンナ
| ダンテの逆恨み 16-1職（しょく）を求め、16-2保護（ほご）と16-3支援（しえん）を求めて16-4イタリヤ中をさすらう旅は、16-5死ぬまで続いた。16-6ついに故郷（こきょう）に戻る日は16-7来なかったのである。16-8そして彼の心から、16-9ボニファティウス教皇に対する16-10烈（はげ）しい怒りが消え去ることも、16-11決してなかった。 ---ダンテを執拗に圧迫しているのはドナーティである。そしてその種をまいたのは誰あろうダンテ自身である。教皇をうらむなどお門違いなのである。それに彼はイタリヤ中をさすらったりはしていない。ローマの目の届かないところにひそみ、ラベンナでも自分の身分は隠している。生き残ったただ一人の幹部として、白派の同志の再編をすべきなのに、ただの逃亡者に成り果てている。彼は臆病者だ。 16-12だが、教皇は16-13得意（とくい）の絶頂（ぜっちょう）にあった。16-14教皇領国では16-15すでに彼の絶対支配が確立（かくりつ）していたし、16-16今またこうして16-17フィレンツェ共和国が16-18事実上（じじつじょう）教皇庁の傘下（さんか）に16-19入ったわけである。 ---象は踏み潰した蟻のことなど考えたりはしない。生き延びた蟻も象のことなど普通は考えたりはしない。 コロンナ家の始末 16-20足元（あしもと）をおびやかすのは16-21ローマの有力（ゆうりょく）貴族コロンナ家だったが、16-22これはすでに聖年祭の前に、16-23コロンナ家（け）出身（しゅっしん）の枢機卿二名を16-24強引（ごういん）に免職（めんしょく）し、16-25抗議（こうぎ）すると16-26家門（かもん）全員を破門（はもん）に処し、16-27武力を用（もち）いて16-28亡命（ぼうめい）に追いやり、16-29ローマ近郊（きんこう）の所領（しょりょう）を没収（ぼっしゅう）、16-30コロンナの城は16-31徹底的に破壊、16-32廃墟に清めの塩を撒（ま）かせて16-33凱歌（がいか）を挙げた。 16-34南イタリヤと16-35シチリヤをめぐる16-36フランスと16-37スペインの争いにも介入（かいにゅう）し、16-38西暦１３０２年には16-39曲がりなりにも16-40調停（ちょうてい）を成立（せいりつ）させたから、16-41イタリヤ全土（ぜんど）が16-42教皇庁の指導下（しどうか）に16-42まとまる日も近いように見えた。 |
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| 謝辞ミチオ・自己研鑽資料 |
| 2016/4/28 （笹倉宗）聖母マリヤ福音教会代表 笹倉正義 通称：「オリジナル教会」 「ささくら修道会」 2017/3/2 |