(4)カトリック教会の現状(げんじょう)

4-1ここでカトリック教会に目を移そう。4-2教皇庁の威信が4-3高まったということは、4-4教会の世俗権力が4-5強まったことをも意味する。4-6事実、4-7十一世紀から4-8十二世紀にかけての経済革命と、4-9十字軍遠征で、4-10最も大きな富を獲得したのは、4-11ほかならぬカトリック教会だったのである。4-12高位(こうい)聖職者は4-13軒並(のきな)みに富裕になり、4-14広大な土地を所有して、4-15領主(りょうしゅ)以上に贅沢(ぜいたく)な暮らしをする。

4-16都市のコムーネにも4-17強い影響力を持っているので、4-18その世俗権力は4-19肥大(ひだい)するばかりである。4-20修道院も例外ではない。4-21かつて清貧(せいひん)と4-22苦行(くぎょう)の代名詞であった4-23修道院も、4-24今は豊かな生活を享受(きょうじゅ)できる4-25結構(けっこう)な楽園(らくえん)になっているところが多い。

4-26修道院長は4-27たいてい太鼓腹(たいこばら)の4-28恰幅(かっぷく)のよい姿に描かれるようになったが、4-29これはうまいものを4-30食い過ぎるからである。4-31粗衣粗食(そいそしょく)は4-32昔の物語になってしまっている。4-33こうした変化を4-34どうしても納得(なっとく)できないのは、4-35下層の民衆であり、4-36一般信徒である。4-37こうしてまったく新しいかたちの4-38「異端(いたん:正統と考えられている思想・信仰・学説などからはずれていること)」が、4-39そろそろ出現し始めている。
 
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謝辞ミチオ・自己研鑽資料
2016/4/11 (笹倉宗)聖母マリヤ福音教会代表 笹倉正義
通称:「オリジナル教会」 「ささくら修道会」
2017/3/1