（１５） （１５）
| 15-1この超人的（ちょうじんてき）な教皇の唯一（ゆいいつ）の弱点（じゃくてん）は、15-2健康面（けんこうめん）にあった。15-3若（わか）い頃（ころ）からの苦行（くぎょう）と15-4栄養不足、15-5それに教皇就位（しゅうい）以降（いこう）の激務（げきむ）と15-6心労（しんろう）が重なり、15-7病気が絶（た）えず、15-8持病（じびょう）の痛風（つうふう）は15-9昼も夜も彼を苦しめた。15-10「一年近くほとんど病床（びょうしょう）についたきりだ。15-11痛風と心労に苦しみ、15-12早く死んで解放（かいほう）されたいと毎日（まいにち）思っている」（西暦５９９年） 15-13「激痛が続き、15-14ミサの三時間15-15立っているのが耐え難い。15-16もう死ねると感じるのに、15-17毎日死ねないでいる」（西暦６００年） 15-18「寝椅子（ねいす）から起きあがれなくなって15-19これで何日（なんにち）か。15-20神のお召しが待ち遠しい」（西暦６０１年） 15-21西暦６０４年、15-22ランゴバルド族（ぞく）改宗（かいしゅう）事業の完成を見届けて、15-23教皇グレゴリウス一世（いっせい）は永眠（えいみん）した。15-24その墓碑（ぼひ）には15-25「神に選ばれた執政官（しっせいかん）」と刻（きざ）まれた。15-26まさにぴったりの墓碑銘（ぼひめい）である。15-27教会と教皇国家（こっか）の礎（いしずえ）を築（きず）いた15-28この教皇を追慕（ついぼ）して、15-29人々は大教皇と呼び、15-30聖者の列に加えた。15-31歴代（れきだい）２６４人の教皇のうち、15-32聖者とされる人は数十人いる。15-33だが、大教皇と呼ばれるのは、15-34レオ一世（いっせい）を除けば15-35彼だけである。 15-36彼の跡（あと）を継（つ）いだ15-37教皇サビニアヌスは、15-38教会前の広場で貧者（ひんじゃ）に食料を配るのを15-39止めさせた。15-40すると、故人（こじん）となった前教皇グレゴリウスが15-41三晩（みばん）続（つづ）けてその夢枕（ゆめまくら）に立ち、15-42食料（しょくりょう）の施与（せよ：人に品物を恵み与えること）を復活するよう忠告（ちゅうこく）した。15-43サビニアヌスはその忠告を無視（むし）した。15-44グレゴリウスは四たび夢の中に現れ、15-45杖（つえ）で教皇の頭を殴（なぐ）りつけた。15-46その翌日（よくじつ）、15-47サビニアヌスは死んだという。15-48グレゴリウスは死後もなお15-49奇蹟（きせき）を現（あらわ）したのである。 |
| （１３）マローチヤ夫人と息子たち |
| 謝辞ミチオ・自己研鑽資料 |
| 2014/9/1、2016/4/3 （笹倉宗）聖母マリヤ福音教会代表 笹倉正義 通称：「オリジナル教会」 「ささくら修道会」 2017/2/27 |