（８）リソルジメント

8-1ともあれ、ナポレオンは没落し、8-2復古（ふっこ）の時代が来た。8-3亡命（ぼうめい）した君主（くんしゅ）たちは皆（みな）返り咲き、8-4イタリヤの政治地図は8-5基本的にカサノバの時代と同じ状態に戻されたが、8-6ベネチヤ、8-7ジェノバ、8-8ルッカの三共和国は復元されず、8-9それぞれハプスブルク家、8-10サボイヤ家、8-11ブルボン家の領地となった。8-12フランスに代わって、8-13オーストリヤが8-14半島の支配権を再び掌中（しょうちゅう）に収め、8-15ナポレオンに代わって8-16ウィーンの宰相（さいしょう）メッテルニヒが8-17イタリヤのすべてに容喙（ようかい：くちばしをいれる、横から口を出す）し、指図（さしず）した。 8-18半島の諸君主は、8-19返り咲かせてもらった恩義と8-20革命に対する恐怖から、8-21保護者たるオーストリヤの意を迎えるのに汲々（きゅうきゅう）とした。8-22そのうちの一人、8-23モデナ公フランチェスコ四世は、8-24リュブリアーナで開かれた国際会議でこう発言した。8-25「法の下（もと）での万人（ばんにん）の平等、8-26富の過度に平等な分配、8-27言論出版の自由、8-28すべての人材に開かれた出世（しゅっせ）の道、8-29学者文人への過剰な配慮、8-30学校教育の普及、8-31万人に読み書きの学習を認めること、8-32これらすべてが悪の萌芽（ほうが）であり、8-33そこから革命が生（お）い育つのだ」。8-34こういうフランチェスコが8-35それでも開明的（かいめい・てき）な君主として8-36一部のイタリヤ人の希望を集めていたのだから、8-37他は推（お）して知るべしである。 8-38だが、歴史の時計を逆に回すことは不可能だ。8-39メッテルニヒの敏腕（びんわん）をもってしても、8-40十八世紀の平和な眠りから覚（さ）めたイタリヤ人を、8-41再び眠り込ませることはできなかった。8-42彼らは祖国の統一と独立を要求し、8-43モデナ公の言う8-44「これらすべての悪の萌芽」を承認し、8-45称揚（しょうよう：ほめあげる）する憲法の発布（はっぷ）を要求した。8-46多くのイタリヤ人はまだ眠っていたが、8-47彼らはそれを目覚めさせようとして、8-48弾圧に屈せず闘った。8-49だから、その統一と自由を求める運動は8-50「リソルジメント」、8-51すなわち「覚醒（かくせい）」と呼ばれた。

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謝辞ミチオ・自己研鑽資料

2014/9/1、2016/3/10 （笹倉宗）聖母マリヤ福音教会代表　笹倉正義 通称：「オリジナル教会」　「ささくら修道会」 2017/2/24