トップメニュー２０１８

（１）それとは知らずに、 キリスト教の説明書を着手した当時、わたしはプロテスタントの環境にいて、カトリックはキリシタンという負のイメージしか持っていなかった。プロテスタントの環境とは、広報活動において、「聖母マリヤの貢献」には一切（いっさい）触れないという暗黙の了解である。それは、人々の信仰の目を、ローマ・カトリック教会に向かわせる動機になることを懸念してのことである。考えが「せこい」と言わねばならぬ。 （２）同じことをした者が旧約聖書に書かれている。その人物こそは、イエスの時代の「サマリヤ人」のルーツである。サマリヤ人は、北王国の子孫であり、捕囚後の「ユダヤ人」形成期において、参加しなかった人々の子孫であり、その後、エルサレム神殿を唯一の礼拝場所と定めたユダヤ人（十二部族）から、軽蔑の対象となったのである。 ちなみに「イスラエル」は、偶像礼拝を奨励した北王国の別名であるが、聖書では「善意」に用いられている。これは、ユダヤ人としての十二部族統合に際して、先に亡んでいた北王国の十部族が参加しやすいように、との配慮とも考えられる。聖書が文字化されたのは、捕囚時代に、東方の高度な文化に触れ、文字を習得してからのことである。それまでは文字は発達しておらず、主として、レビ人による、記憶の世襲だった。 （列王紀上） 12-25ヤラベアムはエフライムの山地にシケムを建てて、そこに住んだ。彼はまたそこから出てペヌエルを建てた。12-26しかしヤラベアムはその心のうちに言った、「国は今ダビデの家にもどるであろう。12-27もしこの民がエルサレムにある主の宮に犠牲をささげるために上るならば、この民の心はユダの王である彼らの主君レハベアムに帰り、わたしを殺して、ユダの王レハベアムに帰るであろう」。 信仰の分断 これには、プロテスタントが聖母マリヤを否定する根拠と同じ、よこしまな動機がある。すなわち、福音書は「ヨハネによる福音書」を用い、聖母を退かせて、マグダラのマリヤを前面に置いたのである。聖母マリヤは、ローマ・カトリック教会に直結しているからである。かの書における、マグダラのマリヤは、根拠のない浅はかな知的「偶像」である。 12-28そこで王は相談して、二つの金の子牛を造り、民に言った、「あなたがたはもはやエルサレムに上るには、およばない。イスラエルよ、あなたがたをエジプトの国から導き上ったあなたがたの神を見よ」。12-29そして彼は一つをベテルにすえ、一つをダンに置いた。12-30この事は罪となった。民がベテルへ行って一つを礼拝し、ダンへ行って一つを礼拝したからである。 （３）わたしは、説明書を作る最初の段階で、必然的に福音書を読み比べ、あらためて、それが不思議と思うようになっていった。そして、ルカとテオピロそして聖母マリヤと婦人たちの活動に思い至り、パウロの神学的文書がルカによって保存されたと確信した。これが キリスト教会の主流であり、正統であり、教会は常に異端（分裂因子）にさらされていた、結論付けた。 それが、具体化するのは、明日（あす）、２０１９年以降になる。

（初代代表：草稿者）　笹倉正義 2018/12/31