８．まことの心で ８．まことの心で
| 8-1飲み食いが済んだとき、寝ようということになった。青年は食事の部屋から寝室に連れていかれた。8-2トビアはラファエルの助言を思い出し、旅の袋をあけて、そこから魚の心臓と肝とを取り出し、それを香の火の上においた。 8-3悪魔はそのにおいをかぐと、エジプトの高地に逃げた。ラファエルはそれを追って、そこに縛りつけた。 8-4その間親戚の人たちは寝室を出て扉を閉めた。トビアは床から立ちあがってサラに言った、「姉妹よ、お立ちなさい、主の恵みと保護を願って、ともに主に祈りましょう」。8-5彼女は立ちあがり、保護を願って、ともに主に祈り始めた。トビアはこう祈った、 「われらの父祖の神よ、祝されたものよ、 み名は祝される、 代々に。 天があなたを祝し、 あなたにつくられたすべてのものも、 代々に。 8-6あなたはアダムをつくられた、 その妻エバもつくられた、 その助けとし支えとするために。 ---アダムとエバの話は、ユダヤ人の男尊女卑（夫唱婦随）と言い切ってしまった方が、単純で分かりやすいと思う。話は、単純明快が良い。 （創世記） 2-18また主なる神は言われた、「人がひとりでいるのは良くない。彼のために、ふさわしい助け手を造ろう」。 2-19そして主なる神は野のすべての獣と、空のすべての鳥とを土で造り、人のところへ連れてきて、彼がそれにどんな名をつけるかを見られた。人がすべて生き物に与える名は、その名となるのであった。2-20それで人は、すべての家畜と、空の鳥と、野のすべての獣とに名をつけたが、人にはふさわしい助け手が見つからなかった。 2-21そこで主なる神は人を深く眠らせ、眠った時に、そのあばら骨の一つをとって、その所を肉でふさがれた。2-22主なる神は人から取ったあばら骨でひとりの女を造り、人のところへ連れてこられた。2-23そのとき、人は言った。 「これこそ、ついにわたしの骨の骨、 わたしの肉の肉。 男から取ったものだから、 これを女と名づけよう」。 2-24それで人はその父と母を離れて、妻と結び合い、一体となるのである。 2-25人とその妻とは、ふたりとも裸であったが、恥ずかしいとは思わなかった。 （創世記の引用は、日本聖書協会の口語訳聖書） 人はその二人から生まれ出た。 あなたは言われた、＜男は一人でいてはならぬ、 男に、彼に似た助けのものをつくって与えよう＞。 8-7いま、わたしは姉妹をめとるが、快楽を求めてはいない、 まことの心をもってこれを行う。 この女と私が、 ともに老いるまで、あわれみを下したまえ」。 8-8二人はともに、「アメン、アメン」と言い、8-9その夜は二人で寝た。 その間、ラグエルは起き出し、下男を呼んで、墓を掘る手伝いをさせた。8-10彼はこう思っていた、「もし、あの青年が死んだら、私たちは笑いとあざけりを浴びせられる」。8-11墓穴を掘り終わって、ラグエルは家にもどり、妻を呼んで8-12言った、「トビアが生きているかどうか、寝室に女中を一人やってみてはどうか。もし死んでいるなら、だれにもわからぬうちに葬ってしまおう」。8-13女中が行くことになった。ランプに火をつけ、扉をあけて女中は入った。彼女は、二人が深く眠りこんでいるのを見つけたので、8-14外に出て小声で言った、「あの方は死んではいません、すべてうまくいっています」。 8-15ラグエルは、こう言って、天の主を祝した、 「主よ、あなたは祝されたもの、 すべて聖い祝福によって、 代々に主は祝されんことを。 8-16私を喜ばせられた主は祝されたまえ。 私の恐れたことは起らなかった。 あなたは、われらを無限の慈しみで扱い、 8-17この一人の息子と娘をあわれまれた、主は祝されたもの。 主よ、み恵みとご保護を彼らに下し、 み恵みと慈しみのうちに彼を生かしたまえ」。 8-18夜明け前に、彼は下男たちに命じて、墓穴を埋めさせた。8-19彼は、妻に一かまのパンを整えさせ、自分は家畜の群れのところに行って、二頭の牛と四頭の雄羊をほふって、それを台所にもってきて準備を始めた。 8-20それからトビアを呼んで言った、「十四日間はここを去ると言わないでくれ。いまいる私の家で飲食してくれ。おまえは娘のたび重なる悲しみをぬぐって喜びを与えてくれるだろう。8-21それから私の持ち物の半分を持って、平和のうちに父のところに帰るがよい。私と妻が死んだら、残りの半分も受け取ってくれ。私の子よ、信頼せよ、私はおまえの父で、エドナはおまえの母だ。もう私たちは、おまえの姉妹がそうであるように、おまえの親となった。息子よ、安心するがよい」。 |
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