４．おきての本 ４．おきての本
| 4-1これは、神のおきての本、 永遠に存在する律法である。 これを守るものは、生き、 捨てるものは、死ぬ。 4-2ヤコブよ、立ちもどり、それを握りしめ、 その輝きと光のもとを、歩め。 4-3その誉れを、人に渡さず、 特権を、異国の民に渡すな。 ---律法はユダヤ人のもの。権威を持つ書かれた物（聖書）はまだない。 4-4イスラエルよ、私たちは幸せだ、 神のお気に召すことが何かを、知っているからだ。 4-5民よ、イスラエルの残りの者よ、 勇気を出せ。 4-6おまえたちは、異国の民に売られたが、 それは滅ぼすためではなく、 神の怒りをさそったから、 敵の手に渡されたのだ。 4-7お前たちは、神ではなく、悪魔に、 いけにえをささげ、 創造主の、 怒りを買い、 4-8育て主である永遠の神を忘れ、 養ってくれたエルサレムを悲しめた。 ---サマリヤの山を礼拝場所としたイスラエルは北王国、エルサレムを礼拝場所としたユダは南王国である。 イスラエルは下克上を繰り返して、その王朝を止めず、アッスリヤに滅ぼされた。南王国ユダは北王国の滅亡後百五十年を経てバビロンに滅ぼされた。 南王国はダビデに続くソロモンの王朝をその滅亡まで保った。八十年後、バビロンを滅ぼしたペルシャ王の恩赦により、ユダの指導者たちがエルサレムに還った。 彼らの中には、王の図書室に入り、バビロンとペルシャの文化を吸収していた。エデンの園、バベルの塔、ノアの箱舟伝説などは、その異国の文化知識である。ユダ王国の王朝は絶え、その復興の道はなかったが、ダビデの子のナタンから続く血筋の中には、若きゾロバベルがいた。 彼はユダの総督となり、エルサレム復興に政治面から尽した。また、アロン家の子孫は、聖書の編纂に着手した。モーセの書は、物語風にし、その中に律法をちりばめた。 ここに、エルサレムとその神殿の復興が成り、また律法の書としての聖書が形をととのられ、独特の生活因習を持つ集団が生まれた。それがユダヤ人である。 このようなわけで、当初ユダヤ人を構成したのは、ユダ族とベニヤミン族だけであったが、先に滅んだ北王国の部族にもユダヤ人への併合を呼びかけた。そのため、ユダであるべきとことがイスラエルに置き換えられ、北王国イスラエルの子孫の参加の敷居を下げようとした。『4-5民よ、イスラエルの残りの者よ、』と『4-8育て主である永遠の神を忘れ、養ってくれたエルサレムを悲しめた』が対であることは、おかしなことなのである。 4-9彼女は、神からの怒りが下るのを見て、 言った、 「シオンに隣る町々よ、聞け、 主は、大きな悲しみを下された。 4-10私は、子と娘たちが奴隷になるのを見た。 それは、永遠のお方が、 なされたことだった。 4-11喜びのうちに、彼らを養った私は、 涙と嘆きのうちに、彼らが去るのを見た。 4-12やもめとなって、みなに見捨てられた私のありさまを、 だれも喜びとはするな。 子らの罪のために、 神のおきてを、捨て去った彼らのために 私は、孤独の者となった。 4-13彼らは、おきてに心をかけず、 神の定めに従わず、 神の正義によって、教えの道を 歩もうとしなかった。 4-14シオンに隣る町々よ、きて、 私の子と娘たちが奴隷にされたことを、 考えてみておくれ。 それは、永遠のお方が、 なされたことだった」。 4-15主は、彼らの上に遠い民を、 知らぬことばを語る残酷な民を、襲いかからせた。 彼らは、老人を尊ばず、 子どもをあわれまず、 4-16やもめの手から、愛する子を奪い、 娘を奪って、私をただ一人とり残した。 4-17私に、どうして、おまえたちを助けられよう。 4-18だが、災いを下したお方は、 おまえたちを、敵の手から救いだされるだろう。 4-19行け、子らよ、行け、 私は、捨てられて、一人残され、 4-20祝いの服を脱ぎ、 願いのあら布を身にまとい、 生きるかぎり、 永遠のお方に向かって、叫び続けよう。 4-21子らよ、勇気を出し、 神にこいねがえ。 主は、暴力と、仇の手から、 おまえたちを救いだされる。 4-22私は、その救いが、 永遠のお方から下るのを望んだ。 尊いお方から、喜びが私に下ったのは、 おまえたちの救い主、永遠のお方から、 遠からずあわれみが下るしるしだ。 4-23私は、嘆きと涙のうちに、おまえたちが去るのを見たが、 喜びと楽しみのうちに、永久に、 神は、おまえたちを私に帰してくださる。 4-24シオンに隣る町々は、いま、おまえたちが奴隷になっているのを見るが、 神から下る救いも、見るだろう。 それは、偉大な栄光と、永遠の輝きのうちに、 下るのだ。 4-25子らよ、神の怒りを耐えしのべ。 敵はしいたげたが、 遠からず、おまえたちはその滅びを見、 その首の上を歩けるだろう。 4-26私の、か弱い、幼い子らは、 つらい道を歩き続け、 敵に奪い去られる羊の群れのように、 取り去られた。 4-27子らよ、勇気をふるい起こし、 神にこいねがえ。 災いを下されたものは、 おまえたちを、はっきり心にとめておられるのだ。 4-28神から離れようと考えたときのように、 ひとたび、悔い改めるときには、 神を求める熱意を、 十倍にするがよい。 4-29災いを下されたものは、おまえたちを救いあげ、 永遠の喜びで、満たしてくださる。 4-30エルサレムよ、勇気を出せ、 み名をお与えくださったお方が、 慰めてくださるからだ。 4-31おまえたちをそこない、 おまえの滅びを喜んだものは、 あわれなものだ。 4-32おまえたちの小さな子らが仕えていた 町々は、また、 おまえたちの子らを入れたものは、 あわれなものだ。 4-33おまえの滅びを喜び、 敗北を楽しみにしたように、 彼らは、みずからの滅びを悲しむだろう。 4-34私は、人の数の多い喜びを、 彼女から奪いとり、 その楽しみを喪とかえる。 4-35彼女には、永遠のお方から、 長い間、火がふりかかり、 長らく悪魔の住まいとなろう。 4-36エルサレムよ、東を見て、 神から下る喜びをながめよ。 4-37見よ、去るのをみたその子らが、帰ってくる。 東から、西から、集められて、 帰ってくる。 尊いお方のみことばによって、 神の栄光に、喜びいさみつつ。 |
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