（６）教会税 （６）教会税
| 6-1こんな具合（ぐあい）だから、6-2皇帝アルブレヒト一世が6-3使節（しせつ）を寄越（よこ）したときも、6-4その使節が6-5一（いち）修道士（しゅうどうし）に過ぎぬと知るや、6-6無礼（ぶれい）であると怒鳴（どな）って、6-7いきなりその使節の顔を6-8したたかに蹴（け）り上げた。6-9皇帝は6-10この屈辱（くつじょく）に耐えたが、6-11フランスの王様は6-12辛抱（しんぼう）できず、6-13教皇が6-14他国の内政（ないせい）に干渉（かんしょう）することに抗議（こうぎ）して、6-15フランス国内の教会税を凍結（とうけつ）し、6-16ローマへ送らせないという挙（きょ）に出た。 6-17肥沃（ひよく）なフランスは6-18カトリック教会の大財源（だい・ざいげん）だったし、6-19今や武力でも6-20ヨーロッパ一（いち）の実力を誇る6-21フランスに対して、6-22脅（おど）しはききそうにもなかったから、6-23教皇庁は大いに困った。6-24だがボニファティウスは6-25妥協（だきょう）しなかった。 6-26なに、向こうがその気なら、6-27こちらにはこちらの方策（ほうさく）があるさ。6-28こうして考え出したのが6-29「聖年祭（せいねんさい）」の大イベントだったのである。6-30この収益（しゅうえき）によって6-31教皇庁財政の6-32穴埋めをするとともに、6-33カトリック教会の威信を、6-34諸国の津々浦々（つつ・うらうら）にまで浸透（しんとう）させるという、6-35一石二鳥（いっせき・にちょう）の名案（めいあん）である。6-36ボニファティウスは6-37企画と演出の天才だったから、6-38このイベントは大成功を博（はく）した。 |
| 次へ |
| 謝辞ミチオ・自己研鑽資料 |
| 2016/4/22 （笹倉宗）聖母マリヤ福音教会代表 笹倉正義 通称：「オリジナル教会」 「ささくら修道会」 2017/3/1 |