（第十回）洗礼準備礼拝
4-1-15 荒野の試練と悪魔の試み

１．聖歌１００「しずかに神と」

２．祈り
ハレルヤ。天の父なる神様、今日このように家族そろって御前に出て、礼拝できることを感謝します。ルカによる福音書によって、イエス様が神の子であり、イエス様をとおして私たちの救いが完成したことを学びたいと思います。私たちの心を開いて、いろいろと分かるようにしてください。イエス様のお名前を通して、御前にお祈りします。アーメン。

３．聖書朗読 ルカ4-1-15
4-1さて、イエスは聖霊に満ちてヨルダン川から帰り、4-2荒野を四十日のあいだ御霊にひきまわされて、悪魔の試みにあわれた。そのあいだ何も食べず、その日数がつきると、空腹になられた。

4-3そこで悪魔が言った、「もしあなたが神の子であるなら、この石に、パンになれと命じてごらんなさい」。4-4イエスは答えて言われた、「『人はパンだけで生きるものではない』と書いてある」。

4-5それから、悪魔はイエスを高い所へ連れて行き、またたくまに世界のすべての国々を見せて4-6言った、「これらの国々の権威と栄華とをみんな、あなたにあげましょう。それらはわたしに任せられていて、だれでも好きな人にあげてよいのですから。4-7それで、もしあなたがわたしの前にひざまずくなら、これを全部あなたのものにしてあげましょう」。4-8イエスは答えて言われた、「『主なるあなたの神を拝し、ただ神にのみ仕えよ』と書いてある」。

4-9それから悪魔はイエスをエルサレムに連れて行き、宮の頂上に立たせて言った、「もしあなたが神の子であるなら、ここから下へ飛びおりてごらんなさい。4-10『神はあなたのために、御使たちに命じてあなたを守らせるであろう』とあり、4-11また、『あなたの足が石に打ちつけられないように、彼らはあなたを手でささえるであろう』とも書いてあります。4-12イエスは答えて言われた、「『主なるあなたの神を試みてはならない』と言われている」。

4-13悪魔はあらゆる試みをしつくして、一時イエスを離れた。

4-14それからイエスは御霊の力に満ちあふれてガリラヤへ帰られると、そのうわさがその地方全体にひろまった。4-15イエスは諸会堂で教え、みんなの者から尊敬をお受けになった。

４．解説
ヨハネから洗礼を受けられたイエスに聖霊が下りました。イエスは聖霊によって、神のパワーが体内に充満するのですが、それを用いることができる資格があるかどうか試されます。試練は、御霊に引き回される状態で開始されます。イエスは人として三十年間すごしてこられましたが、今ここに聖霊を受けたことで、彼自身の肉と霊のバランスが大きく崩れました。その二つがあらたな均衡に達するまで、つまり正気に戻るまで、四十日かかったのです。

その間、彼は何も食べなかったのですが、昼夜の寒暖の差が大きい荒野でもあり体力の消耗が激しく、普通の人間なら十日でも持たないのです。神の子にして、極限状態を生きぬいたとしても、意識はもうろうとして、ころがっている硬い石が軟らかいパンに見えます。そこで、「石をパンにかえてみなさい」という第一問が発せられます。これには、申命記の聖句を使って、答えられました。

第二問は、この世の富への執着が問われました。イエスは、聖霊によってパワーアップされ、人の病をいやすこともできるようになっています。しようと思えば何でもできます。そこでサタンは、自分にひざまずけと言うのです。イエスの答えは明快でした。

第三問は、神を試みる傲慢さが問われます。これには詩篇第９１篇が使われました。

実際には、もっと多くの試みがあったのではないかと思われますが、わたしたちには、この三つで十分なのです。ちなみに、この時イエスのそばにいることができたのは、聖母マリヤをおいて他にだれもいません。荒野から戻ったイエスを介抱したのは、その母にほかならないでしょう。福音書への情報源は聖母マリヤの可能性が高いのです。

ちなみに、どれか一問でも誤れば、その時点で聖霊は消え、悪魔も知らん顔で去っていきます。心身共に極限状態のイエスは、瞬時に息絶えたでしょう。しかし、イエスは悪魔に勝利されて、（母の介抱をうけて）体力を回復し、ガリラヤ地方（ナザレ、カナ、カペナウムなど）に帰り、神の国の宣教を開始されました。記者の言う、「御霊の力に満ちあふれて」が、イエスが大きく変わられた様子を言い尽くしています。

５．祈り
今日は、イエスさまにも試験があって、それにみごと合格されたことについて学びました。三問ともとても簡単な問題のようにみえますが、実はとてもむずかしい問題だったこともわかりました。

この一週間もまた家族みんなが、神様の中で元気に過ごせるように、助けてください。明るい所、広いところに導いてください。天のおとうさま、イエスさまのお名前を通して、み前にお祈りします。アーメン。

６．賛美歌１２３「ナザレのむらにて」 
　
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2011/6/16　聖母マリヤ福音教会