まさよしの久宝寺(きゅうほうじ)工場時代

(1)キリスト教との縁ができた時代 職場が大阪市浪速区（なにわく）から移転し、関西本線の久宝寺駅がもよりの駅となった。最初は玉手山独身寮から、ついで工場近くの加美の賃貸マンションから通勤した。まだ玉手山から通っていた頃にわたしは仏縁よりも先に キリスト教会との縁ができたのだった。 (2)悦子とデートした時代 この後、枚方の工場に異動することになって、住居は枚方の独身寮になったが、賃貸契約は解除せずにおいた。それは平野キリスト教会に通う拠点を残しておこうと思ったためだった。その後、えつこが現れると、デートの拠点になった。また、そこから二人で教会に出かけた。

久宝寺マップ

残っていた数少ない写真を見ても、自分は実に多くの人たちと共にいたのだ、と思わされる。

(3)性交(セックス)の彷徨(ほうこう)と賜物(たまもの) わたしには彼女ができなかった。それは女性を知らないから、だから固すぎて、女性に敬遠されるのだ、とも思った。1975/6/27(金)、女子社員の歓送会がナンバであった。その二次会で、コンパニオンの女性の愛想がよかったので、もう一度会おうと考えた。そして、また出かけて、フロントで「ふゆきさんはいますか」とたずねた。彼女の胸の名札に、「深雪」と書いてあったからだった。「いません」という答えだったので、想いをとげられずに、そのまま帰ることになった。 その帰路、関西本線の柏原の駅で下車、同駅構内の、近鉄「道明寺」行きの電車の時刻までには時間があった。改札を出て、駅前の本屋で時間をつぶすことした。何も買わすに出ることは、自分の性格に合わないことだったので、価格が安そうな、文庫本と新書本から、タイトルを見比べて、一冊買った。それが三浦綾子さんの「旧約聖書入門」だった。 翌日の通勤電車の中で読んだが、夢中になって、弁当のつもりで持っていたものを、電車の中に忘れた。休日出勤で、普通の通勤時間と違ったと思う。なぜかその感想文を書く気になり、著者宛てに出したのだった。 それ以後、セックスのことは一時頭から離れた。 ちょうどそのころ、ペニスの先の亀頭とそれを覆う皮との間で、たびたび炎症をおこすので、思い切って皮を切除してもらおうと、近鉄「久宝寺口」駅近くの外科医院に相談に行っていた。一週間ほど入院して、寮に帰ったら、寮監から留守中に電話があったといって、メモを渡された。電話すると 相手はキリスト教会の牧師さんだった。彼は「富浦です」と名乗った。それが キリスト教に縁（えん）のできた最初だった。

能率手帳データ（1975年9月） 旧約聖書入門、ペニス皮切除、国分クリスチャンセンター

(4)草野球の投手(とうしゅ) 工場の前が緑地公園で、市民向けの陸上競技場と野球場があったので、スポーツ環境には恵まれていた。草野球チームが編成されて、わたしも参加することになった。わたしはスポーツや音楽にはまるで縁のない人生を送っていた。しかし、ほんの少し、一回だけピッチャーをやって、１イニングだったか、球を投げた。 このとき、キャッチボールの相手をしてくれていたのが、「ちびちゃん」という愛称を持つ「ユタカちゃん」だった。二人は、いつもいっしょという一時期があった。

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「まさよしの職歴」自分に読む物語

ページ制作者：笹倉　正義 2018/9/15、2019/7/16、2021/9/2、9/7、9/14 2021/9/29