神の小羊

預言の成就（神の小羊）

預言者	イザヤ55-8わが思いは、あなたがたの思いとは異なり、わが道は、あなたがたの道とは異なっていると主は言われる。神の民に、本当に必要なものは、強大な敵と武力で戦う「王」ではありませんでした。ルカ14-31また、どんな王でも、他の王と戦いを交えるために出て行く場合には、まず座して、こちらの一万人をもって、二万人を率いてむかって来る敵に対抗できるかどうか、考えて見ないだろうか。14-32もし自分の力にあまれば、敵がまだ遠くにいるうちに、使者を送って、和を求めるであろう。彼らに必要なのは、神と人との間を取り持つ、「死なない大祭司」でした。旧約聖書の予言は、おぼろげに、キリストの姿を暗示していました。死なない大祭司キリストの計画が、いつ、どこで、どのように実現するかは、言葉を託された預言者自身にも分かからないのでした。
家畜の血	レビ記4-32もし小羊を罪祭のために供え物として連れてくるならば、雌の全きものを連れてこなければならない。レビ記4-35またそのすべての脂肪は酬恩祭の犠牲から小羊の脂肪を取るのと同じように取り、祭司はこれを主にささげる火祭のように祭壇の上で焼かなければならない。こうして祭司が彼の犯した罪のためにあがないをするならば、彼はゆるされるであろう。レビ記6-24主はまたモーセに言われた、6-25「アロンとその子たちに言いなさい、『罪祭のおきては次のとおりである。罪祭は燔祭をほふる場所で、主の前にほふらなければならない。レビ記6-30しかし、その血を会見の幕やに携えていって、聖所であがないに用いた罪祭は食べてはならない。これは火で焼き捨てなければならない。贖罪の儀式は、神殿にて、アロン家の大祭司が代々執り行いました。しかし本来、羊や牛といった家畜には人の罪を引き受ける能力がありません。家畜は、神の前に欠けたもの、罪の汚さを認識できないからです。そのような、実際には罪を知らない家畜の血をいくら流しても、人の罪が消えることはなかったのです。そのために大祭司は、毎年同じような儀式を、神殿でしていました。
神の血	イザヤ53-5しかし、彼はわれわれのとがのために傷つけられ、われわれの不義のために砕かれたのだ。彼はみずから凝らしめをうけて、われわれに平安を与え、その打たれた傷によって、われわれはいやされたのだ。これは、罪のないもの（神）がもろもろの罪を負って殺されれば、その流された血は、人の罪を消すだろうという、不気味な預言です。そのためには、罪のないものは人でなくてはならず、人の女から、しかも処女から生まれなくてはなりません。しかし、女が子を産むためには、何かと交わる必要があります。女は、何かと交わることをあらかじめ了承しなければなりません。また女には、この世に生まれたその子が、世の常と違う場合、世の好奇の目から守る能力がなくてはなりません。その能力とは、女が最も苦手とする、「沈黙」そして、「信仰」と「祈り」です。
神の小羊	「神の小羊」とは、一見かわいい子ひつじちゃん、のイメージですが、実際には不吉な代名詞です。それは、殺されることが約束されたもの、いけにえの意味だからです。ヨハネ1-29その翌日、ヨハネはイエスが自分の方にこられるのを見て言った、「見よ、世の罪を取り除く神の小羊」。
すべてが終わった	イエスの臨終の言葉として、ヨハネの福音書には、「すべてが終わった」と書かれています。この意味は、「すべての予言が成就した」ということです。一巻の終わりという、死に失敗した言葉ではなく、歓喜の言葉です。このとき母マリヤは十字架の下にいましたから、イエスの、この言葉を聞きました。わが子を見あげ、母ゆえの悲嘆の涙はこぼれても、「よかったわね、イエス。おめでとう」と、言葉をかけられるお姿が見えます。ヨハネ19-30すると、イエスはそのぶどう酒を受けて、「すべてが終わった」と言われ、首をたれて息をひきとられた。
神の右に座る者	母マリヤは、イエスが復活したこと、昇天して見えなくなったこと、五十日目に弟子たちが聖霊に満たされたことを聞き、神の業が完成したことを確認しました。聖母子像をシンボルとするカトリック教会には、マリア様ご昇天の話があるようですが、イエスのゆえに神の妻であり、その重責をまっとうされたお方の最後は、そうあるべきです。聖人像を持たないプロテスタント教会は、聖母マリヤを拝むことはありません。聖パウロは、たくさん書いた手紙の中で、聖母マリヤの人柄には一言もふれていません。男尊女卑のユダヤ教そのものといったパウロは、たとえ聖母であろうと、女が表に出ることを極度にきらっています。ガラテヤ1-18その後三年たってから、わたしはケパをたずねてエルサレムに上り、彼のもとに十五日間、滞在した。1-19しかし、主の兄弟ヤコブ以外には、ほかのどの使徒にも会わなかった。ケパとはペテロのことです。聖母マリヤはパウロの立場と性格をよくご存知で、自分は表に出ず、息子のヤコブを表に立てられました。聖母は、深き愛のうちに聖パウロの母であり、アブラハムの子孫であり、アブラハムの信仰に生きた女性でした。