「みんなの 「みんなの
| シャットダウン（定期検査で停止）している石油プラントに出かけ、炉内に林立しているステンレス製反応管の溶接部のUT（超音波）探傷をした。一本につき３箇所の溶接箇所がある。炉内の全数はできないので、ターゲットを選択する。 ＵＴのグラフを読み取って、数値化する。前周１０箇所を区切って読み取る。そして、損傷具合をグラフ化してレポートに仕上げる。しかし、これは根気の要る大変な作業で、加減乗除はわたしの最も苦手とするところだった。わたしは悩んだ。 そこで、えつこを連れて、日本橋（にほんばし）の電気店街に出かけた。適当なパソコンがないだろうかと思ったのだった。シャープのポケコンＰＣ−１５００がＢＡＳＩＣ言語で使えて、プロッターもあり、出張で持っていくのに最適と思われた。しかし、許可を得るより先に買ったのでは、ＯＫされず自腹しかないな、と思うと迷いがでた。えつこはじりじりして一言、「買ったら？」。それで買った。 ＢＡＳＩＣのプログラミングが始まった。なんとか「加減乗除」作業から逃れようとがんばったのだった。ビジネス・ホテルで入力値をプロッターにアウトプットした。速度は遅い。夜を徹して打たせた。うるさいので、バスルームに置いた。「カタ・カタ・カタ・・・・」と、休むことなくチャートが描かれた。翌日それをレポートに仕上げるのだった。 ゼネコンの事務所に提出するこのレポートを赤松さんは「クボタ」の誇りに思ってくれた。それがとてもうれしかった。ここでＢＡＳＩＣの基本を習得したことは、その後の移動先で思わぬ成果となって現れるのだった。 |
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ページ制作者：笹倉 正義
2018/6/22、23