３．映画の画面抜粋

　３．映画の画面抜粋

「モーツアルトを殺した」叫けび、首に傷を負った老人が運ばれたのは精神病院。モーツアルトが死んだのは３０年以上前の話だったから。悔やんでいるように見えたので告解することがあるのではないかと神父さまが呼ばれたが。

２６歳、若き日のモーツアルトと自分のことを老人は回想した。それはモーツアルトへの嫉妬であり、彼を造った神と敵対し、モーツアルトを破滅させることで神に復讐したのだという。老人は神聖ローマ帝国の宮廷に仕える作曲家であり、その優先的地位を利用してモーツアルトの栄達をことごとく阻む。

（３）モーツアルトの勝利　

モーツアルトはレクイエムを未完のまま世を去る。サリエリの神への復讐計画はモーツアルトを破滅に追い込んだ他は未達に終わった。すなわち、モーツアルトが「赦してほしい」という天国門の鍵を開くキーワードを口にしながら死んだことと、自分がモーツアルトの口述を記録した譜面を持ち去る機会を逸したことの二つである。

（４）凡庸なる者の頭

レクイエムの譜面入手をモーツアルトの愛妻コンスタンツアに阻まれたのは痛かった。そのゆえに、サリエリは３２年間悔やみ続けた。しかし、神父さまにあらいざらいぶちまけて、神父さまをノックアウトしたので、すっきりした。彼は若い看護士の押す車椅子に揺られながら手を差し伸べ、廊下にたむろする患者仲間に「罪を赦そう」と声をかける。サリエリ老は、意気揚々と、好物の「甘いパンのある」食堂へと向かう。

（５）周瑜と孔明の場合

秀才が天才に嫉妬する話は古今東西にある。中国国営電子台の制作した「三国志」の中に秀才「周瑜」と天才「孔明」の話がある。中国には、歴史がある。人材もまた豊富だ。

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2016/5/13　聖母マリヤ福音教会代表　笹倉正義